終わった後の選手のコメントでは・・・
「後方からの飛び出しが足らなかった」という意見がチラホラ。
そこで、少し語ります。
サッカーでは「1対1に強い」という事が重要視されます。
ロッソで言えば、森川なんてその「当たりの強さ」を買われているのでしょう。
攻撃では1対1でかわせる事。守備では負けない事が大前提という風潮が強いですし、それは正しいと言えます。
しかしそれよりもっと有効なのが「数的優位を作る」事になります。
私が昔から言ってる「チームとしての連動性」や「ボランチがFWを追い越す動き」なんてのはこれの典型的な例に過ぎません。
しかし、「数的優位を作る」という事は、逆にピッチのどこかで「数的不利」が出来ている事になるのです。
前回グチった内容は「このギャップにどう対処するのか?」という事になるのです。
例えば、お互いに3−5−2の場合
○ ○ ○
● ●
○ ○ ○ ○
● ● ●
○
● ●
○ ○
● ● ●
黒がボールを保持していれば、このような状況です。
これで、相手に数的優位を作らせない為にはボランチより後ろの選手が攻撃に参加する必要があるという事ですね。相手のTOP下が守備に下がってきた場合は、更にもう一人。そこまでやって初めて「1対1」の状況に持ち込めるという事です。
しかしこれは机上の空論と言いますか・・・現実的にはボールは一個なので、それに関わる場所のみ数的不利を作らなければ問題ないと言えます。
では右サイドが突破に成功した時。
→○ →○ →○ ●
○ ● ● ↑
● ○ ○ ○
↑ ●
○ →●
● ↑
○ ○
● ● ●
簡単に言えばこのようにポジションを変えますね。
ボールを持ち上がったサイドの選手がクロスを上げられれば、問題無いのですが、相手に詰められた時に備えて、右のボランチはフォローにまわるわけです。
問題はこの時の左ボランチとDF。
相手のTOP下が残って居れば別ですが、このような時には前の3枚のうち一人は守備のフォローに走ってると思います。
なのにロッソの場合は後ろの陣形が崩れる事はありません。それは良く言えば「カウンターに備えてバランスを保っている」という事なのですが、相手が2人に対して、「その場を動かず4人が残ってしまっている」という事なのです。
これが私の考える大問題なんですね。
仮にこぼれ玉が発生した時、このような状況であれば、再びマイボールにする事は極めて難しくなります。それにFW、MFのみの攻撃と言うのはマークしている相手にとってはそこだけに的を絞れば良いために非常に守りやすいと言えます。
ここで左のボランチが前に突っ込んだらどうでしょう?
「相手の守備がマークの受け渡しをする必要が出てくる」
「対応しきれない」
「こぼれ玉も拾いやすくなる」
といい事づくめになります。
実際は、「もしカウンター一発で相手FWにパスが通ったら?」という問題があるのですが・・・
これをどう考えるか?
それが、「守備意識の違い」となってゲームに現れるわけです。
ロッソの場合・・・というか、今のボランチの(武士を除く)組み合わせでは、「バランスを取る」という言い訳の元。自分の前に広大なスペースがあってもそこに飛び込むという事をやりません。これが指示にせよ、選手の判断にせよ、それで相手を崩す事は非常に難しいのです。
今日の代表FW田中、巻ですが、引きこもった相手に対し、余りにもポゼッションが取れていた為に、「ボールをもらい、DFを引き出す」という動きに欠けていました。
オシムの言う「考えて走る」という事が出来てなかったと言えます。
スペースがあれば走るのでしょうが、そのスペースを作る動きが出来なかったという事ですね。
ロッソの場合もそうです。人数を掛けずに攻めるしかないので、ワンタッチでのパスは通りにくいですし、前線はフリーでプレー出来る状況なんてほとんどありません。
それでいて後ろの5人は黙って見てるだけ・・・失礼!空いたスペースを埋めながら、反撃に備えているって事ですね。
このようなやり方だと、選手の個人能力だけが問われるやり方・・・相手よりも良い選手ばかりで固めていないと良いゲームなんて出来ないって事になるのです。
本当に考え方一つの差なのですが、攻撃中、相手にボールを奪われたとして。相手と同数の選手がそこに居れば、それだけ早いプレッシャーを掛ける事が出来ます。それだけカウンターの危機も減るという事。
これが、私の言う「積極的な守備」というやつです。
今のロッソに不満を抱く元・・・リスクを極端に恐れた消極的な戦い方は、このような「バランス」に対する考え方が、消極的という事であり、攻守において「足かせ」となっているという事です。
3バックでも相手が1TOPであれば、一人は上がっても全然問題ないはずです。なのにそれが出来ない・・・
スペースを作る、利用する。そんなサッカーが出来ない・・・
それならそれで、内林のように1対1に強い選手を使うかと言えばそれも無い・・・
これが相手のレベルが上がると途端に閉塞感に包まれる元凶だということです。
・DFの一人が上がったら、サイドもしくはボランチが空いたスペースを埋める。
・FWが下がってスペースを作ったら、そこに誰かが飛び込む。
こういう事がチームとしての連動性であり、連携なのです。
そういう事をやらないツケは攻守の切り替えの遅さにも繋がってますね・・・守る人、攻める人がはっきりしすぎなんです。
準加盟が決まった今、もう一度「人もボールも動くサッカー」を思い出してやって欲しいものです。
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もう1年以上前のことですが、ファミレスで知人から「ロッソを見に行きたいけどサッカー分からないから教えて」と言われました。全くサッカーを見たことが無い方だったので(しかも一回り年上の方)、どう説明しようか迷ったのですが、「サッカーは11人で試合して、後ろの6人(GK含む)が守備をして、前にいる5人が攻撃するスポーツ」という説明から始めました。
・・・まさかその説明をロッソ関係者が聞いていたとは(笑)
下2行はもちろん冗談ですが、やはりボランチを2人にするのであれば、1人は攻撃的に前に出て行く選手であったほうが良いと思います。代表で言えば(少し前ですが)稲本と明神みたいな感じを考えています。
相手陣内でボールを奪い、スペースを突きまくって圧倒するロッソを見たいです。
長文失礼しました。
御意見ありがとうございます。
前回は「リスクチャレンジからカバーリング」というものが真の「バランスを取る」という事を書いたつもりです。
わかりにくいと思いますが・・・(汗)
レプリカピタンさんの仰るようなロッソ見たいですね・・・
今は前半から、まるで3点リードしているチームのような試合ですから・・・
結果を楽しみにしてます◎^∇^◎
という書き込みもむなしく・・・
既に酔っ払いな私は皆さんに多大な迷惑を掛けてしまったとさ。
(記憶無し:汗)
皆さんゴメンなさい・・・orz